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ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は人間の胃の粘液に好んで住みつく細菌です。胃の中には強い酸性の胃酸があるため、細菌は通常住めませんが、ピロリ菌は、アンモニアを出して胃酸から身を守って住みついています。そのピロリ菌が出すアンモニアや毒素が胃の粘液に悪影響を与え、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こします。
日本人はピロリ菌に感染している人が多く、特に、50歳代以上の70〜80パーセントが感染していると推測されます。
写真提供:東京顕微鏡院 伊藤 武先生
胃潰瘍の患者さんについて調べたところ、その約70パーセントが、また十二指腸潰瘍の患者さんでは約90パーセントがピロリ菌に感染していることが分かりました。
なお、ピロリ菌に感染している人では胃がんの発生率が高いという報告があります。
病気の原因がピロリ菌であると分かった場合は、それを取り除くことが先決であり、効果的です。そこで、3種類の薬を1週間飲む「ヘリコバクター・ピロリ除菌療法」が開発され、胃潰瘍・十二指腸潰瘍で健康保険の適用になりました。
ただし、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因は食事、薬剤、ストレスなど、さまざまですから、ピロリ菌の検査と除菌療法については、まず、かかりつけ医にご相談ください。
肝臓の中に中性脂肪がたまると脂肪肝になります。日本では、脂肪肝は10年間でおよそ2倍となり、とても増えています。脂肪肝そのものは比較的軽い病気とされていましたが、最近では動脈硬化となるメタボリックシンドロームとの関係も注目されてきています。
肥満、高血圧、脂質異常(高脂血症)、糖尿病と並んで脂肪肝も動脈硬化の原因と考えられつつあります。
脂肪肝はアルコール性と非アルコール性の2つに大きく分類され、アルコール性では脂肪肝から肝硬変へ、そして肝がんに進むことがあります。一方、お酒を飲まない人には脂肪肝は起こりにくいと思われていたのですが、肥満や運動不足、甘いもののとりすぎが原因で、やはりここ10年くらいの間に増えてきました。非アルコール性でも1割ほどは炎症を起こし、肝細胞が壊れ線維が増えていき、肝硬変や肝がんに移行していきます。これが非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)と呼ばれる病気です。
脂肪肝は自覚症状がほとんどありません。しかし、血液検査や腹部超音波検査をすれば容易に発見されるものです。また、メタボリックシンドロームがある場合には脂肪肝の合併も多くなり、特にNASHの合併が心配されます。ぜひ、定期健診を積極的に受け、脂肪肝を指摘されたら、かかりつけの医師にご相談ください。
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